富貴様に初めて訪問した際に当社が注目したのが商品ラインナップです。お茶々万十に続くポテンシャルを秘めた商品はどれか？博多カステラは2011年に富貴様が同業数社で共同開発された博多土産で、開発秘話は面白く味もおいしい。しかしカステラの市場では長崎のカステラという強敵がある。何か福岡ならではのインパクトを加えることでもっと売れる商品になる！その直感が全ての始まりでした。
早速当社は福岡のご当地素材を調べました。その中でこれだ！と思ったのが「糸島れもん」です。福岡といえばあまおうが有名で、福岡屈指の人気エリア糸島で育ったレモンを使用した福岡土産はなかなかありません。ご提案したところ、共感いただき無事採用。商品開発が進められました。

富貴様で試作が続く中、当社はデザインを進行。レモンのイエローに糸島の海のブルー、レモンが熟す前のグリーンで分かりやすく構成することに。こうして出来上がった「博多カステラ糸島れもん」は発売開始後、博多カステラより約２割の値上げがあったにも関わらず、生産が追い付かないほどの人気商品に！富貴様からも素材提供元の（株）糸島れもん様からも感謝のお言葉を頂きました。

糸島れもん味がヒットするさなか、2023年５月。富貴様のホームグラウンドである春日市が、JR西日本グループが包括連携協定を結ぶことが決まりました。春日市には国内最大級の新幹線の車両基地「博多総合車両所」があります。その一部が春日市へ無償譲渡されることに。
10月には、「春日西多目的広場公園」がオープンし、この公園は車両基地を見下ろすことができる新幹線ファンにはたまらないビュースポット。そこで春日市は「春日市の名物を作りたい」とJR西日本グループに話を持ち掛けます。その時JR西日本グループが目を付けたのが当社プロデュースの「博多カステラ糸島れもん」でした。
オファーを受けた富貴様は春日市だけの別フレーバーが良いと「みるく＆発酵バター味」を開発。デザインを任された当社が提案したのは「ドクターイエロー」を全面に出したパッケージでした。新幹線の検査専用車両でたまにしかお目にかかれないドクターイエローは「見ると幸運が訪れる」と言われています。それを見るスポットができた春日市、そしてみるく＆発酵バターにも馴染むカラーリング。関係者全員が一目で気に入ったドンピシャのデザインでした。

こうして誕生した「博多カステラみるく＆発酵バター」のお披露目は博多総合車両所で開催される「新幹線ふれあいデー」に決定。抽選で15,000人招待の枠に申し込みが殺到する大人気イベントです。目玉企画の1つにドクターイエローの車内見学もあり、当社の提案したデザインは思い出として持ち帰るにはぴったりなものでした。当日10時に開場後14時には6個入・1個入ともに完売する盛況ぶりで幕を閉じました。
この「博多カステラみるく＆発酵バター」、半年間はJR西日本グループが独占販売し、それ以降いろんな売り場で展開予定です。
現在、富貴様とは、糸島れもん、みるく＆発酵バターに続く新たなフレーバーの開発を進めているところです。

＜制作物一覧＞
●糸島れもん　
　・6個箱、個包装、しおりのデザイン・製造
●博多カステラみるく＆発酵バター　
　・6個箱、個包装 、しおりのデザイン・製造
　・手提げ袋のデザイン
　・ポリ袋の製造
　・ドクターイエローの焼印　デザイン