Works

new長い歴史をもつ菓子の価値を再構築

二軒茶屋餅角屋本店様(三重県伊勢市)

長い歴史をもつ菓子の価値を再構築 二軒茶屋餅角屋本店様(三重県伊勢市)
1575 年より創業400 年以上、御伊勢参りの舟参宮による旅人をお迎えしていた茶屋です。
こし餡を薄い餅皮で包んできな粉をまぶした素朴な生餅を提供されています。地元では非常に知られた存在ですが、店頭以外での販売はしておらず、歴史的な価値や風土、店の佇まいなど、伝統を後世にも伝えるべく、1 店舗のみで商いを続けられてきました。
今回、地元以外への認知度アップをしていきたい、消費者にその魅力を伝える方法が少ないという課題を、ブランディングという手法を取り入れて解決を目指しました。
クリエイティブのポイント
  • 伝承というカタチで続けられていたものを、その価値を改めて明確にする
  • 集客として、素晴らしいお餅とお店の佇まい、伊勢への旅情を伝える公式な情報発信の場をつくる



風土・歴史など、ソースをとことん集め、「舟参宮」「もう一つの伊勢」「440年の歴史」のストーリーを浮かび上がらせる

お店に残る資料、その土地の風土や歴史の資料を現地でも十分に調べ上げ、また代々の伝承や伊勢歴史にも詳しい鈴木会長への聞き取り取材を行い、さまざまな情報を多面的に集めました。その情報を整理し、磨くことで、歴史に裏打ちされた魅力「もう一つの伊勢」というキーワードを浮かび上がらせ、「生餅を通して、ここにしかない土地の記憶、風土の物語を体感・体験する」というブランドコンセプトを導き出すことができました。



魅力を伝える表現としては、フォトグラファー、コピーライター、デザイナー、イラストレーターのクリエイターの力を活用。最終的にはその魅力を伝える基本媒体として、WEB サイトをチョイス。歴史や風土の魅力の掘り下げについては、取材内容を連載コラムにして、読み物としての親和性からnote で展開しています。



「行ってみたくなる・食べてみたくなる」ユーザーの、欲求~体験への誘引に成功。

2021 年暮れにホームページが立ち上げ、公開1 週間後に、全国放送のテレビ番組内で「二軒茶屋餅」が取り上げられ、アクセスが増加。
年明け後に店舗への来店客数も増え、その後も増え続けています。特に若い層の方の来店が増え、「ホームページを見た」とお答えになる方が多いそうです。

また二軒茶屋餅様ご自身も、自分達の続けてきたことに自信を持つことができ、お店のスタッフにも「私たちも魅力を伝える大切な役割をしている」という意識の変化が現れ、士気の向上や、接客においてポジティブな意識が働くこととなり、社内的にも良い効果につながっています。